シュシュ~番外編①~
「りゅ、龍之介さ・・ん・・・」

アタフタする美織を、オレは羽交い絞めにして、

唇を奪った。

・・・その時の、美織の顔は、色気があって、

キスが止まらなくなる。



「ぁ・・龍之介・・さ・・」

キスをしながら名前を呼ばれると、気持ちが一気に高ぶる。

…が、ここは今、車の中。

第一、美織と付き合い始めてまだ日も浅い。

その先の行為に行くには、まだ早いと感じてしまう。

もちろん、美織を大事にしたいから・・・


そっと離れた唇、美織はほんのり顔を赤くして、

オレを上目遣いに見上げた。

・・・ったく、何とか理性を保っていると言うのに、

美織は全然わかっていない。



「大好き、です」

ボソッと呟いて、美織はオレの胸元に顔を埋めた。

そんな美織が愛おしくて、ギュッと抱きしめた。


長年こうしたくても出来なくて、もどかしくて、

それでもこうやって、ようやく手に入れた、オレの大事な人。

この手で、必ず、幸せにしてみせる。

そう誓わずに、いられなかった。
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