シュシュ~番外編①~
真っ赤になった美織を見て、オレまでさらに赤くなる。

いたたまれなくなって、美織から目線を外すと、

食事に集中した。

他人の色恋沙汰にはめっぽう強いのに、

自分の事になると、てんでダメな自分がもどかしい。

こんなオレを見て、美織はオレの事を嫌になったりしないだろうか?

『子供っぽい龍之介さんは、嫌い』とか、

突然言い出すんじゃないだろうか、そう思うと不安になる。


「…龍之介さん、どうかしましたか?」

首を傾げ、美織が問いかけてきた。

オレはハッとして、いつもの口調でどうもしないと一言だけ言った。


食事が済む頃には、どうにか落ち着き、いつものような、振る舞いが出来始めた。

だが、それが逆に、美織はオレから離れる要因にもなっているよう。


「美織、どうかしたのか?」

「…笑わないでくださいよ?」


「何を突然」

「さっきみたいな龍之介さんは、近寄れるんですけど、

いつものようなキリッとした龍之介さんは、、その、あの・・・」

そこで言葉を濁した美織。

気になってしょうがない、オレは、美織の頭を優しく撫でた。


「言ってみろ」

「ドキドキして・・・どうにかなってしまいそうで」

その言葉にホッとする。普段のオレは、嫌いなんじゃないかと、

思ってしまっていたから。

オレは優しく微笑み、美織を抱き寄せ、頭にキスを落とした。
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