砂漠の夜の幻想奇談
「ここは特等席ですね。兄上達の様子がよく見える」
彼も気になるらしい。
窓から外の二人を眺める。
「でも、ラマダーンなんだから、しばらく中止にすればいいのに…。どう考えても、兄上の方が不利だと思いませんか?」
お腹が減って力が出ない。
今のシャールカーンはそういう状況だろう。
きちんと食事をしているカシェルダの方がコンディションは良いはずだ。
カンマカーンの言葉にサフィーアが納得していると、ドニヤが不思議そうに目をしばたたかせた。
「あら?お二人はご存じありませんでしたか?カシェルダも食べてないんですよ」
初耳の情報にサフィーアは叫びそうになった。
が、慌てて自分の口を手で押さえる。
間一髪、声は漏らさなかった。
けれど疑問は残る。
(嘘!?カシェルダも断食中!?どうしてなの!?)