砂漠の夜の幻想奇談
意味深な呟きに、手元へやっていた視線を上げてドニヤの横顔を見る。
中庭を眺めるドニヤの頬はほんのりと紅潮していた。
(も、もしかして、ドニヤって!)
カシェルダにホの字なのだろうか。
一般女子と同じで恋愛話に興味があるお年頃のサフィーア。
彼女は傍にあった紙と筆を引き寄せ、質問を書いた。
しかし、書いてから思い出す。
(あ……ドニヤは文字が読めないんだったわ…)
どうしようか迷っていると、カンマカーンがサフィーアの紙に目をとめた。
「何を書かれたのです?文字…?これはラテン語ですね。ドニヤは…カシェルダが、好き…?」
しっかり教育を受けていた王子がすんなり問題を解決してくれた。
カンマカーンと二人、ドニヤの方を見る。
当のドニヤは耳にした質問内容により、さらに顔を赤くさせていた。