砂漠の夜の幻想奇談

「頼むよ。人助けだと思って」


(い~やっ!!)


尚もプイプイするサフィーアに、シャールカーンはちょっと考えた。


「サフィーア……何か、怒ってる…?」

問えば当たったのか、ギクリと表情を変えるサフィーア。


(お、怒ってないわ…!)


「……怒ってるね」


(怒ってないってば!)


実を言えば、少し苛々していた。

シャールカーンがノーズハトゥザマーンに向けた蕩けるような視線。

あれには多少ムカッときていたサフィーア。

シャールカーンがノーズハトゥに対して恋愛感情を抱いていないだろうことはわかっている。

けれど、彼女の方はシャールカーンと同じではないような気がしたのだ。

女の勘。


(ノーズハトゥ姫は、たぶん……シャールのこと…)



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