砂漠の夜の幻想奇談
「なんだとゴラァ!!」
「相変わらずキレやすいな。もっと聖書を読んで忍耐・努力・我慢を学べ」
「スカしてんじゃねぇよ!!クソが!!」
ルカスが立ち上がり、カシェルダの胸倉をグイとわし掴む。
カシェルダは冷静な表情をしているが、ルカスの行動に周りがざわめき出した。
王の御前で喧嘩など、あってはならない。
ヴァイオリンの旋律が止まる。
大広間にいる人々の視線がカシェルダとルカスに集まった。
「随分と目立っているな」
シャールカーンが小さく呟く。
(カシェルダ…!どうしたの!?)
サフィーアも不安そうに自分の大切な護衛官を見つめた。
「全く、あやつらは…!」
「申し訳ございま――」
騎士団長カムルトスが慌てて王に頭を下げた瞬間だった。
「コラ!!晩餐の席で見苦しいです!!やめなさい!!」
第三者の大声が響いた。
テオドールだった。