砂漠の夜の幻想奇談

「はっ!ならお返しっ」

読んでいたのか、ミロンは白のポーンを動かして、今ビショップを取ったばかりの黒のポーンを取ってやった。

「ああ!取られてしまいました!」

「良いんだよ。道が開けた。クイーンを前へ」

黒のクイーンが一気に白へ攻める。

ポーンを前に出すも、さらに迫ってきたクイーンのせいでミロンのキングは斜め前へ逃げるはめに。


「ルークを横へ」

テオドールが指示通り指した直後、ミロンは息を呑んだ。


「チェックだよ」


不敵に微笑むシャールカーン。

追い詰められたと悟り、どうにか回避しようとキングを逃がす。

「くっそ!」

「ふふ、ナイトを進めて」



この後は何度もシャールカーンによるチェックが掛かった。

ギリギリで逃げ回っていたミロンだったが…。


< 466 / 979 >

この作品をシェア

pagetop