砂漠の夜の幻想奇談


(杞憂…?どうして?)


サフィーアが首を傾げると、ダハナシュは得意そうに言った。

「姫が毒で死ぬなんて絶対に有り得ないからだ。我ら魔神の魔力で姫の身体はつくられているゆえな」


(魔神の、魔力…?)


なんだか理解しがたい方向に話が進みそうだ。

サフィーアはもう一度、首を傾げた。


「思い出すがいい、サフィーア姫よ。魔神マイムーナの力により貴女は母親の腹に宿った。これすなわち、貴女の存在は魔神の魔力によって成り立っているということ」


(え…?)


唖然。


(魔神の魔力…?私の存在が…!?)


とんでもなく重要なことをサラッと言ったダハナシュは、特にサフィーアの反応を気にすることなく平然と続けた。


「魔神には毒など効かない。魔神と同じ魔の力で身体がつくられている貴女にも当然、毒は効かない。だから杞憂なのだ」


< 643 / 979 >

この作品をシェア

pagetop