砂漠の夜の幻想奇談
(杞憂…?どうして?)
サフィーアが首を傾げると、ダハナシュは得意そうに言った。
「姫が毒で死ぬなんて絶対に有り得ないからだ。我ら魔神の魔力で姫の身体はつくられているゆえな」
(魔神の、魔力…?)
なんだか理解しがたい方向に話が進みそうだ。
サフィーアはもう一度、首を傾げた。
「思い出すがいい、サフィーア姫よ。魔神マイムーナの力により貴女は母親の腹に宿った。これすなわち、貴女の存在は魔神の魔力によって成り立っているということ」
(え…?)
唖然。
(魔神の魔力…?私の存在が…!?)
とんでもなく重要なことをサラッと言ったダハナシュは、特にサフィーアの反応を気にすることなく平然と続けた。
「魔神には毒など効かない。魔神と同じ魔の力で身体がつくられている貴女にも当然、毒は効かない。だから杞憂なのだ」