砂漠の夜の幻想奇談

魔力によって生まれたサフィーア。


(私、ダハナシュ達と同じ身体なの…?)


と、いうことは。

サフィーアはハッとした。


(私は、魔神…!?)


「ちなみに、姫に魔力が宿っているからといって、我らと全く同じではないからな。そこは勘違いしてくれるなよ」


(え?どういうこと?なら私は、魔神ではないの?)


ダハナシュに杞憂だと言われたおかげで心に僅かな余裕ができたサフィーア。

人間でありたい彼女は、ダハナシュに質問して確認するべく紙と筆を持った。


「魔の力があっても姫はそれを自分で自由に操ることはできない。例えば俺は魔力を使って色々なものに変身できるが、姫にはそんな芸当無理だろう?」

よってサフィーアを魔神とは呼べない。

サフィーアの問いに対し、ダハナシュはそう言い切った。


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