砂漠の夜の幻想奇談


 辺りが暮れかけてきたのを見計らい、カシェルダは一人の兵士を捕まえた。

「うっぐ…!!」

手で兵士の口を塞いでから、喉を短剣で掻き切る。

一連の動作をスマートにこなし、カシェルダは急いで服を脱いだ。

自分の服とカイサリア兵の服を取り替える。

こうすれば潜入してもバレにくいだろう。


「よし…。後は姫の居場所を…」


敵軍の陣営内。

密かに様子を探りながら他の兵士達にまじって寝る支度をしていると、あるテントの中から出て来るルームザーンを発見。

彼の隣にはファルーズもいた。

「サフィーア王妃、少し表で兄上と話してくるよ。貴女は先に休んでいて」


ルームザーンの声が耳に入り、反応するカシェルダ。


(姫はこの中か!)


テントの陰に身を隠し、ルームザーン達が離れるのを待つ。


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