砂漠の夜の幻想奇談

何をするのだろう。

マリアムが上向いた時、シャールカーンが言った。

「下がって」

「え…?」

次の瞬間、剣が木格子に振り下ろされる。

「きゃ!?」

煌めく刃に驚いて、マリアムは後ずさった。

ルステムも剣を使って木造りの格子を切っていく。

大胆にぶっ壊そうとするシャールカーンと、地道に確実に傷をつけて解体していくルステム。

二人の力により、マリアムを閉じ込めていた格子は侍女が来る前に破壊された。


「ありがとうございます…!ありがとうございます!!」

他に言葉が見つからない。

格子の内側から出て来たマリアムは涙を流しながら何度も何度も頭を下げた。

そんな彼女の涙を、シャールカーンは指で拭ってやる。

「笑うといい。笑顔は人の心を強くする」


< 771 / 979 >

この作品をシェア

pagetop