砂漠の夜の幻想奇談
気が滅入る。
シャールカーンは深い溜息を吐き出した。
「俺は……何か憎まれるようなことを、兄上にしていたのだろうか…」
うなだれる彼にサフィーアが寄り添う。
トルカシュやバルマキーも王様を元気付けようと「あー」とか「え~」とか言いながら言葉を探す。
そんな時、床に座っていたカシェルダがスクッと立ち上がった。
「カシェルダ?」
いきなりどうした、とシャールカーンが彼に視線を向けると、カシェルダは長椅子に腰掛けているシャールカーンに近寄り、ターバンの上からその頭をグリグリと乱暴に撫で回した。
「うわっ!?」
(カ、カシェルダ!?)
隣で見ていたサフィーアは唖然。
もちろん、周りにいた臣下達も呆気。
カシェルダは最後に一発シャールカーンの頭を軽く叩くと、そのまま部屋から出て行こうとした。