黒アゲハ

空が薄明るくなっていて、もうネオンが目立たないラブホテル街。ハナさんがボクを連れてきた場所‥ 「ハ、ハナさん!どしたの?」 「どうせヒマなんでしょ?付き合ってよ!アタシ家無し子なの」 ワケがわからなかったけど、とにかく今はハナさんに付いていこう。 ボクたちはお城の形をしたホテルに入った。 部屋に入ると急に緊張してきてとりあえずソファーに座った。 「あ~!疲れた疲れた。シャワー浴びよっかなぁ~」ハナさんはそう言いながら服を脱ぎだす。 「ちょ、ちょっと!!」ボクは慌てて両手で目を覆った。でもチラッとハナさんの素足が見えて、その足に痣が無かった事にホッとしていた。
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