仮の恋人



夏樹との行為はいつも優しい


何で浮気相手に優しくするのか疑問
そんなに優しくしないでよ


面倒臭くなる…




「今、考え事してたでしょ」


行為中の夏樹の洞察力はすごいと思う
いや、いつもか



「してないよ」


そう返すと名にやら不満げな表情になって


「生意気」


そう言って、律動をさっきよりも速くした



「…っ…!」


驚いて声を上げそうになる
私は基本声をあまりださない
いや、あの甘ったるい声を夏樹に聞かれたくないと言うのが一番の理由だけど



「声出せば?」


「い、…いや、だ」


途切れ途切れに言葉を紡ぐ

夏樹はフッと笑っている

その表情はずるいなといつも思う
その表情に私はだんだんと溺れていくんだ



「梓のそーいうとこ俺好きだけど、ね」



嗚呼もうなんなのこの人は
本当にずるいよ


何気ない『好き』と言う言葉がどんなに私に影響を与えるか夏樹には分からないでしょ



「私は、なつ…きなんか…っ!」


そういったところで思いっきり速くされた



「嫌いとか言わせないから」


私って本当に馬鹿だなとつくづく思う

こんな最低な男にひかかって









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