忘れない


君は、僕のことを笑ったりしなかった。
僕のために薬を探してくれた。
僕の体を支えてくれた。



「薬飲んで」

おばちゃん先生が風邪薬を差し出す。
僕は、右手に握ったままのものをそっとポケットにしまった。

「それ飲んだら、車で送っていってあげるから」

言われるままに薬を飲む僕。

ポケットにしまったのは、君が探し出してくれた風邪薬。
きっと、この薬を僕が飲むことはないだろう。
大好きな君が探し出してくれたものだから。


僕は、忘れない。
僕のことを笑ったりしなかった事を。
誰より優しくしてくれた事を。
僕を心配してくれた事を。
僕は、忘れない。








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