モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜

「それで、その女は
まだいろいろ
詳しく知って
いそうなのに、
キミはのこのこ
戻ってきたの。」

「…何度も言いますが、
僕はキミの使用人では
ありません。
僕の持ってきた
情報が気にくわないと
いうなら、自分で
行ってください。」

いささかムッとした
様子で応えた朔夜は、
ぽつりとつけたした。

「…キミ以上に短気で、
姫乃を何十倍も
頑なにして、
彼女の可愛げを
全部取り除いた
ような女性を相手に
やりあう気があるのなら。」

「…。それで?
ほかにわかった
ことはないの。」

朔夜の呟きの内容に、
とりあえず反論する
気が失せた凍夜は、
シプレに対しての
言及をさけて
続きを促した。

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