モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「…うん、その、お兄様。」
全部本当のことで、
否定のしようがない。
それどころか、お姉さまを
溺愛しすぎて、
いたずらしすぎたり、
一人占めしようとしたりと、
しょっちゅう姫乃を
困らせていると
言いそうになったが、
どうにか引っ込めた。
「…でも、すごく、
頼りになるの。
お姉さまのこと、毎日、
一日中見守ってくれて、
何かあると必ず助けて
くれるから。」
「え、毎日一日中とか、
それストーカーじゃねーの?」
「え…?」
「沙羅、姫乃ねえさんに
言っておいて。
限度が過ぎるようなら、
すぐにオレたちに
相談してねって。」
「え?え…?」
義兄を褒めた
つもりだったのに、
何か言い方を
間違えたのだろうか。