モントリヒト城の吸血鬼② 〜望まれざる来訪者〜
「アルカ。シプレは
他には何か…?」
「え?ええと…特には…
あ、でも、そのメモの
内容が大事な
用事なのかってきいたら、
金ヅルに逃げられちゃ
たまんないからねって
意味不明なことは
いってたかも。」
…なるほど、
自身やメリッサに
危害を加えないと見て、
利をとった結果か。
しかし、なぜ急に
こんなことを
言い出すのか、
それがわからない。
無言で考え込む朔夜に、
アルカが遠慮がちに
声をかけた。
「あの、ノークスさん。
しばらく、ヘルブストに
来るのは控えた方が
いいと思うんです。」
「…なぜです?」
「街の大人たちが
言ってました。
隣国の伯爵が公爵家を
嗅ぎまわっている、って。
ノークスさんの
ことですよね…?」