はじめての恋
えりは私の前まで来ると、私にぶつかってきた人を見た。
「……もしかして、湯川くん?」
え?
えり、もしかして知り合いとか?
すると、湯川くんと呼ばれた彼がえりの顔をジッと見る。
「あー、橋本先輩の妹?タメだったんだ」
橋本先輩…
えりのお兄さんのことか。
えりのお兄さんは今は高校二年生。
「偶然だねー!まさかこんなとこで会うなんて!…で、なんで真美と一緒にいるの?」
私をチラッと見て湯川くんに聞くえり。
「俺がぶつかって…」
頭をかきながら言う湯川くん。
「もー気をつけないと〜。大丈夫?真美」
と、心配そうに聞いてくるえり。
私は笑顔で頷く。