【完】泣き顔スマイル
……探すんじゃなかった。
でもカゴを持ってるのは修ちゃんだからこれじゃお買い物が進まない。
どうしよう、なんてモタモタしていたらふとした瞬間に修ちゃんと目が合ってしまった。
わ、わ!
思わず逸らす。
た、態度悪かったかな。
チラっと見ると何故かこっちに向かってくる二人。
なんでよ! いいよ来なくて!
『こんばんわあ~!
かっわいい〜! 高校生?』
「え、あ、はい」
キラキラな笑顔を
ふりまくその人に脅える。
こういうとき人見知りって厄介だ。
『修の妹、すごい可愛いね』
「っ」
当たり前のように言われた妹って
言葉に劣等感を感じ取った。
悪気がないのは分かってるのに今すぐこの場から立ち去りたい衝動に駆られた。
黙ったまま俯く。
どこに視線を持っていけばいいのか分からなくてずっと床を見ていた。