【完】泣き顔スマイル

修ちゃんの傷つく顔は見たくない。

そのくせ修ちゃんの幸せは願えない。

弄んで欲しくなんてないのに

本気にもなって欲しくなくって。


答えなんて出ないと思ってた。


「……泣きじゃくる私に、美香さんが言ったの。『うん、取らないよ』って」

「え」

「すごく悲痛な顔しててねそのくせ無理に笑おうと必死なんだもん。誰でも気づくよあんなの」

「…美香さん…先輩のこと、本気で好きだったの？」



乃愛ちゃんの言葉に力なく頷く。

そうでしょ美香さん。

こないだ会ったときに聞いたら、美香さんは苦笑いを浮かべながらも、しっかり首を縦にふった。


私はとっくにそれに気づいていたのに、目を伏せて気付かないフリをしたの。