Dear.My Heart
「いただきます」



スプーンを手に取り、口へ運んだ。


出来たてで湯気がたっていた。
柚菜はフーッと息で冷まさせると、口に含んだ。


そんな姿をお母さんは隣で見ている。
なんだか恥ずかしくなり、あたしは不満そうに母を見つめた。






「え?…おいしくなかった!?」

お母さんは口元を押さえるようにして驚いた。




「ううん、おいしいよ!」

「良かった。もう、柚菜は紛らわしすぎ!」



そして母は笑顔を見せた。
つられて柚菜も笑う。






淋しさがある分、嬉しさや楽しさが倍にあるんだよ。
一緒に暮らしていたら、お母さんのありがたみを感じていないだろう。

こーゆう家族の関係もアリかなって思うんだ。


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