太陽色の僕ら ~貴方のぬくもり~
第一章

光の色 【彩夏side】





      【 彩夏side 】





「お母さん、今日もカップラーメンなの?」


「そうよ、何か文句あるの。」


「…私、お母さんの手作り料理食べてみたい。」


「うるさいわね!育ててやってんのにグチグチ言って!」


その日から、八つ当たりのような暴力と暴言が続いた。


7歳の私でも分かった。
それが“愛情”ではないことを。


「ねえ、お母さん」


何回母の名を呼んだだろうか。


そう呼んで振り向いて笑ってくれたことは一度となかった。

***

10歳のころ、
薬物中毒で母は死去。


それから仕事ばかりで私と顔も合わせないお父さんの愛情には全く触れず



6年がたった。


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