航平さんと雨芽ちゃん

「航平。
あの人には、何も言わないで良いから。
私も二度と会うつもりないから、知らなかった事にする。」
「雨芽。」
「航平の聞きたい事はもうない？
何か私の質問に途中からなってた気がするけど。」
雨芽は俺が何か言う前に話を遮り、そう話を切り替えた。


「うん、ない。」
「雨芽の話って？」
「もう聞きたい事と言わなきゃいけない話の半分は終わったから、言わなきゃいけない話の残りもう半分。」
「ちょっと長いけど。」
「ちゃんと聞くから話してみろ。」
「うん。」
雨芽はさっきの話と同じくらい、いやそれ以上の覚悟を決めたように、俺の言葉に頷いた。