航平さんと雨芽ちゃん

「お手伝いの佳代さんが居たから生活に苦労はなかったし、車の送迎があったから通学に不便もなかった。


でも、家ではいつも1人で、孤独だった。」
全然まとまってない話を、航平はちゃんと黙って聞いてくれた。


「家には常に強面の人達が出入りしてるし、他の組との抗争とかもあるから、友達も呼べない。

私自身も好きに遊びに行けなくて、理咲の家に行けるくらい。

買い物も誰かしらついてきた。


学校も父に指示されたところ。
本当に自由がないの。


私に関わる組員にしか、私の事は詳しくは話されてないし、誕生日とかクリスマスとかお正月…そういうイベントも皆が楽しんでるのを自分の部屋から聞くだけ。」


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