航平さんと雨芽ちゃん

ゆっくりとした歩調で歩いていると、夜道に不釣り合いな甲高い音が聞こえてきた。

キーコ、キーコッ…

そっちの方を向くと、小さな公園があって、中にはブランコに滑り台に砂場…後は2人用のベンチが1つあるだけ。

そこはちょっと寂れ気味で、普段から夕方仕事帰りに公園横の道を通っても、遊ぶ子供の姿なんて、あんまり見た事なかった。


だから、こんな時間に公園に居る奴なんて、ろくなやつじゃねぇだろうと思いつつ、見てみたのだが…見慣れた狭い空間の中に見慣れない存在が。


女の子だ。