航平さんと雨芽ちゃん


そうやって考えてると、やっぱりアイツが気になった。

確かに全てが謎だけど、ただ一ついえるのは、俺が感情に任せて追い出したアイツは、初対面の俺に頼らざるを得ない程行くとこがなくて困ってたって事。


まだそこら辺に居るんじゃないかと捜しに行く事にした。

確かにアイツの言う事は大袈裟かもしれないけど、安全な世の中じゃない事も確かで、アイツのような外見は狙われやすいから…なんて適当な理由をつけて。


無理矢理追い出したくせに、何故か放っておけなくて数時間前の自分の行動が悔やまれ、大して防寒もせずに適当に靴を履いて急いで出ると…ドアの横に三角座りしている雨芽が居た。


「雨芽‼」
「航平…。」
「お前何してんだよ??」
「靴…履いてないから。」
焦り気味に問い掛けた俺に、若干震えながら静かにそう答えた。


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