航平さんと雨芽ちゃん

航平side



始めよりだいぶ腕があがった雨芽の料理を帰宅後一緒に食べて、先にお風呂に入って部屋で小説を読んでいると、短い悲鳴のような声がリビングから聞こえてきた。

確かに先程から雷の音が大きくて、寝にくいだろうが、もしかしたらと思ってリビングにに行ってみた。

すると布団をかぶって、目を閉じ耳を塞いで震えてる雨芽を発見した。

大して強くもないのに、甘える事を知らない雨芽をたまらず抱き締めた。


雨芽の事を深くは知らないけど、抱き締めた身体は凄い華奢で儚くて。
誰かをこんなにも大切で愛しくて、守りたいと思ったのは初めてだった。


暫く雷の音に震える雨芽の背中を優しく叩いていると、雨芽は寝てしまったようで俺に寄り掛かる体制になっていた。

起こさないように、布団の上に寝かせ自分の部屋に戻ろうとしたけど、俺の服を掴んでいた為、抱き締めたまま寝る事にした。


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