航平さんと雨芽ちゃん


「何か今日の雨芽ちゃん、元気ない気がして。」
「そうですか?」
「うん。」
「今日航平の会社に忘れ物届けに行ってきたんですけど、衝撃的な人物に出逢ったかもしれなくて。」
「衝撃的な人物って言うのも気になるけど、それより‘出逢ったかも’って??」
「まだ確実じゃないから、怖くても確認する必要があって。」
「もしそれが確実になったら、嬉しい?
それとも嫌??」
私の分かりづらい話から要点を拾って、的確な質問を琴里さんからされた。

ほんと美人で頭の回転凄いなぁ。


「その人物は私にとって、天国と地獄の両面を併せ持つ人なんです。
恋しいけど、憎いみたいな。」
「表現が独特だけど、自分でもどう扱って良いのか分からないけど、切り離せない人物みたいな感じ?」
「そうですね。
はい…。」
琴里さんが私の気持ちを読み取って聞いてくれた言葉が、一番表現が近い気がして頷いた。


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