恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「どういう風の吹き回し?」


ここは川原の近くにあるグラウンド。


あたし達が少年野球時代にホームとしていたグラウンドだ。


お父さんは今でも少年野球チームの監督をしていて、今日は練習試合をしていた。


「甲子園に行く前に、どうしてもここに来ておきたくて」


そういう佑真の目は、とても生き生きしていた。


「監督にも久しぶりに会いたかったしな」


「ありがとう。お父さん、喜ぶよ」


城山高校の甲子園行きが決まったことを、お父さんは自分のことのように喜んでくれていた。


もちろん甲子園にも応援に行くらしく、地域の人たちと横断幕を作って張り切っている。


最近はもっぱら"城山のエースは俺が育てた"なんて近所に自慢してるんだ。。
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