恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
「……すぐ学校に知らせよう。いや、その前に警察か!?」
いつもクールなエビ君の憤慨に反して、あたしはどこか落ち着いていた。
女として、恥ずかしくて怖い思いをしたのに違いはないけど。
「……いいの……」
あたしは軽く頭を振った。
「いいって、なにが!?」
「エビ君だって分かるでしょ…野球部にとって今、何が一番怖いか」
「……野球部?」
泣き寝入りするなんて、負けず嫌いのあたしには考えられないけど。
あたしはいつだって野球のことだけ考えてきたから。
「……っ……何言って……」
エビ君は答えが分かったのか、苦しそうにギュッと唇を噛みしめた。