恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~

「……すぐ学校に知らせよう。いや、その前に警察か!?」


いつもクールなエビ君の憤慨に反して、あたしはどこか落ち着いていた。


女として、恥ずかしくて怖い思いをしたのに違いはないけど。


「……いいの……」


あたしは軽く頭を振った。


「いいって、なにが!?」


「エビ君だって分かるでしょ…野球部にとって今、何が一番怖いか」


「……野球部?」


泣き寝入りするなんて、負けず嫌いのあたしには考えられないけど。


あたしはいつだって野球のことだけ考えてきたから。


「……っ……何言って……」


エビ君は答えが分かったのか、苦しそうにギュッと唇を噛みしめた。
< 251 / 486 >

この作品をシェア

pagetop