恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
夏以降、自分の体にムチを打つように必死で努力して。
誰よりも一番多く練習して。
絶対的なエースへと成長した。
技術だけじゃなくて、精神面でも強くなった。
今では少年たちから憧れられて、夢を与える存在になった佑真を。
また、失意のどん底になんて落とせるわけがない。
「ちくしょうっ……
こんなのって……あんまりだろっっっ!」
エビ君は言いようのない悔しさを、地面に叩きつけた。
時折通る車のヘッドライトが公園内を明るく照らす。
それ以外はうっそうと茂った暗い木の下。
沈黙を守るあたし達は、まるでこの世の終わりかと思う空気さえ、はらんでいた。