恋色ダイヤモンド~エースの落とした涙~
……こんなに汗だくになって……。
「あたしのこと馬鹿にしてる?何年佑真を見て来たと思ってるの?」
後ろめたい気持ちは飲み込んで、敢えて強い口調で佑真に向かった。
今日はみんなの想いを代弁するために来たんだから。
「別に……俺がどうしようと勝手だろ…」
開き直ったのか、平然とした顔でドリンクを喉へ流し込む。
「…こんなに大好きな野球、本当にやめちゃっていいの…?」
ゴクリ……
「本当に、後悔しないの……?」
ゴクリ……ゴクリ……
佑真は喉を鳴らし続ける。
「みんなね…佑真を待ってる…」
「……んなわけ…ないだろ……っ」
ペットボトルから口を離した佑真は、乱暴に口元を拭った。
今更戻れない。
強い正義感から、自分の気持ちを押し殺しているだけだと思った。