水のない水槽
「遠藤先輩、大丈夫だって!」

「…え、ホントに?」

「ホント、ホント!! 久しぶりに会いたいってよ~。やっぱ脈ありなんじゃん?」


無邪気に微笑むまどかが、ちょっと眩しくて。わたしは思わず、顔を赤らめた。


遠藤先輩……、会ってくれるんだ。


恋というほど恋してるワケじゃないけれど。中2の時から、ずっと憧れの人。


「浴衣、奮発しなきゃねっっっ」


まどかの底抜けに明るいその一言に、わたしも力強く頷いた。
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