君のことが好きなんだ。
「霊界への入口の前だよ。お前を其処まで無事に送り届けるのがオレの今回の仕事だからな。此処はまだ途中地点だから早く行かねぇと」
霊界?
「其処に行ったら俺はどうなるんだ?」
さっきから予想外の出来事ばかりで頭がついていけず思わず問いかける。
「お前は転生…次の人生が決まるまで霊界で過ごす事になる」
「其処に行かなかったらどうなる訳?」
大翔の問いかけに一瞬の間を置き、ニヤリと悪戯に笑い放たれた一言。
「お前の魂は永久にさ迷う事になる。生まれ変わる事も、勿論成仏する事も無くずーっとな」
その微笑と言葉に悪寒が走る。
「転生ってすぐに出来んの?」
怯む様に口端を引き吊らせた大翔にわざとらしく肩を竦めてみせる。
「さぁな。すぐかも知れないし、ずっとずっと先かも知れねぇ。こればっかりは神様の気紛れだからな」
冗談じゃない。
それでは彼女が生きてる内に逢うことが出来る可能性は無いかもしれないではないか。
それにきっと―…。
「そうだな。前世の記憶なんて覚えてられる訳ねぇだろ」
どうやら本当に心が読めるらしい。
それに幾ばくかの驚嘆と落胆を覚える。
「…んだよ。何か心残りでもあるってのか?」
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