Dreamer
Dream~夢~
風が肌寒くなってきたのを感じながら私は電車を待っていた。

[みんなに早く会いたいな...。]

プリクラを見て微笑んでいると、電車が到着した。

いつも乗る車両から優の様子を見ると、気持ちよさそうに寝ていた。

隣に座って寝顔を見ていると、優が小さな声を出しながら目を開けた。

「ぅーん...あ、れ..?みずき?おはよう..。」

「おはよう。優、気持ちよさそうに寝てたよ。」

「最近、眠いんだよな..練習、キツイし..でも、頑張るぜ!オーディションは、もうすぐだからな。」

「うん!!」

そんな話をして、学園までの道のりが半分くらいになったとき、私は口を開いた。

「優、私ね。お母さんたちから、許してもらったよ。」

「そっか!よかったな!!」

「うん!優たちのおかげだよ。ありがとう!」

「あぁ!」

優はうなづいて、笑ってくれた。



駅を降りると、優は私の手を引いて教室に走った。

勢いよく教室のドアを開ける。

「おっはよー!!」

「おはよ。みずき、優!」

私は咲と達也にも両親のことを話して、お礼を言った。

二人も"良かったね"と言ってくれた。

それから私たちは、授業が始まるまで話して、お互いに頑張ろうと約束した。

行き慣れた音楽室の道を、一歩ずつ踏みしめて私は歩いた。

そしてゆっくりと音楽室の扉を開けた。

「おはよう、みずき。」

挨拶をしてくれたのは、帝先生だった。

「おはようございます!帝先生。..あのっ、前はありがとうございました。私、もう大丈夫です。
だからまた、お願いします!!」

そう言って頭を下げたあと、先生は笑いながら"始めるよ"とピースを作った。

それから私は、帝先生や他の生徒のみんなと最後の調整をして、優たちと学園を出た。

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