ヒールの折れたシンデレラ
「恵さん母乳だとケーキダメかなと思って果物も買ってきたんですけど……」
「よく知ってるわね。でもこんなにおいしそうなケーキみて我慢できないから一つだけいだただくわ」
「恵、紅茶っ!」
いきなり勇矢の声が響く。
紅茶をカップに注ぎながらケーキの箱の中身を見ていた恵はカップから紅茶をあふれさせてしまう。
「あっ、またやっちゃった」
舌をぺろっと出してキッチンへ布巾をとりに行く。
「な、なんか恵さんって……」
言っていいものかどうか悩んでる千鶴に宗治がはっきりと断言する。
「おっちょこちょい」
「それは否定しない」
勇矢も苦笑いを浮かべる。
「また人のいないところで悪口言ってる」
ふてくされた顔でキッチンからもどってきた恵に「そんなことないよ」と言いながら勇矢が頬を軽くなでる。
「そう、ならいい」
恵は顔をほころばせて嬉しそうに勇矢を見つめていた。
(あぁ、課長もこんな顔するんだ)
そんな風に千鶴が思ってると同じ事を感じていただろう宗治と目が合って少し照れくさかった。
(いつか自分もあの三人みたいな家族を持てるのだろうか……その横に宗治はたってくれるだろうか?)
「よく知ってるわね。でもこんなにおいしそうなケーキみて我慢できないから一つだけいだただくわ」
「恵、紅茶っ!」
いきなり勇矢の声が響く。
紅茶をカップに注ぎながらケーキの箱の中身を見ていた恵はカップから紅茶をあふれさせてしまう。
「あっ、またやっちゃった」
舌をぺろっと出してキッチンへ布巾をとりに行く。
「な、なんか恵さんって……」
言っていいものかどうか悩んでる千鶴に宗治がはっきりと断言する。
「おっちょこちょい」
「それは否定しない」
勇矢も苦笑いを浮かべる。
「また人のいないところで悪口言ってる」
ふてくされた顔でキッチンからもどってきた恵に「そんなことないよ」と言いながら勇矢が頬を軽くなでる。
「そう、ならいい」
恵は顔をほころばせて嬉しそうに勇矢を見つめていた。
(あぁ、課長もこんな顔するんだ)
そんな風に千鶴が思ってると同じ事を感じていただろう宗治と目が合って少し照れくさかった。
(いつか自分もあの三人みたいな家族を持てるのだろうか……その横に宗治はたってくれるだろうか?)