ヒールの折れたシンデレラ
勇矢が宗治の横に立ち話しかける。

普通ならばデスクの前でたって話すことがほとんどだが、大切な話はあるときに限ってはこういう位置に立つ。

「先日来の瀬川さんの件についてですが、実際大きな被害は出ていないものの下火になると思われた噂話や、小さな嫌がらせはなくなることなく断続的に続いているようです」

「それは普通とは違う誰かの意図的な力が働いているということ?」

眉間にしわを寄せて尋ねる宗治。

「おそらく」

勇矢は同じように険しい表情を見せて話す。

「で、それが誰だかはまだわかっていないと」

「申し訳ありません」

「まぁ、ここまでうまくやるとなると一社員じゃないってことか」

「引き続き調べてまいります」

「任せて悪いけど、なるべく早く千鶴の気が付かないところで処理したい。よろしく頼む」

真摯な宗治の態度に勇矢も真剣な顔で返した。

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