ヒールの折れたシンデレラ
ベッドに少し荒く置かれて千鶴の体が弾む。

それを利用して宗治は千鶴の体をゴロンとうつ伏せにしてそのうえに覆いかぶさった。

「ちょ、宗……」

千鶴の抗議も聞かずに、宗治は千鶴のワンピースのファスナーを下ろし始める。

そして露わになった背中に舌をそっと這わす。

「……ん、ぁ」

「千鶴は背中弱いよね」

嬉しそうに笑いを含んだ声で話かけられると、千鶴はますます羞恥心から体温が上がってしまう。

「何も考えずに、いや違った。俺のことだけ考えて感じて」

そう耳もとで甘くささやかれて、耳をいたずらな舌で舐られると千鶴はそれ以上逆らうことなどできなかった。

熱い吐息と自らのねだるような声。

宗治の高い体温と早い鼓動に翻弄されながら千鶴は幸せの中を漂った。

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