ヒールの折れたシンデレラ
***
バスルームで宗治はスマホの電源を入れる。留守電を確認すると千鶴からだったが折り返しすると話中で留守電にもつながらない。
メールをして、まずは面倒なことを片付けようとバスルームを出た。
宗治がバスルームから出ると、そこには園美が部屋の電話の受話器を置く姿があった。
「俺に電話?」
自分の部屋にかかってきているんだから間違いなく宗治宛てだろう。そう思い聞いてみるも「間違い電話でした」と返される。
そして宗治に一歩ずつ近づいてくる。
最近園美の距離の取り方に違和感を抱いていた宗治はソファに座るように促し、きっちりとネクタイをしめた。
「それで、わざと水をかけてまで高浜不在で俺に話したいことがあるんでしょ?」
あの時の園美の行動はどう考えてもおかしかった。
探るように彼女に話かけるとニコリと笑う。
「常務はなんでもお見通しなんですね」
悪びれもしない態度に普段の彼女とは違う雰囲気を感じ取る。
宗治はソファの背に立ったままで話を進める。
「で?どうしてこんなことしたの?」
「常務、瀬川さんとはどうなってるんですか?」
「どうって?」
はぐらかす態度に園美が言葉を強める。
「お付き合いされてるんですか?」
ストレートに聞かれ、ごまかすつもりもない宗治ははっきりと「あぁ」と答えた。
バスルームで宗治はスマホの電源を入れる。留守電を確認すると千鶴からだったが折り返しすると話中で留守電にもつながらない。
メールをして、まずは面倒なことを片付けようとバスルームを出た。
宗治がバスルームから出ると、そこには園美が部屋の電話の受話器を置く姿があった。
「俺に電話?」
自分の部屋にかかってきているんだから間違いなく宗治宛てだろう。そう思い聞いてみるも「間違い電話でした」と返される。
そして宗治に一歩ずつ近づいてくる。
最近園美の距離の取り方に違和感を抱いていた宗治はソファに座るように促し、きっちりとネクタイをしめた。
「それで、わざと水をかけてまで高浜不在で俺に話したいことがあるんでしょ?」
あの時の園美の行動はどう考えてもおかしかった。
探るように彼女に話かけるとニコリと笑う。
「常務はなんでもお見通しなんですね」
悪びれもしない態度に普段の彼女とは違う雰囲気を感じ取る。
宗治はソファの背に立ったままで話を進める。
「で?どうしてこんなことしたの?」
「常務、瀬川さんとはどうなってるんですか?」
「どうって?」
はぐらかす態度に園美が言葉を強める。
「お付き合いされてるんですか?」
ストレートに聞かれ、ごまかすつもりもない宗治ははっきりと「あぁ」と答えた。