ヒールの折れたシンデレラ
「私、大切な人がいなくなったり自分のせいで傷つくのこれ以上見たくないんです。今回だって私たくさん迷惑をかけました」

宗治の目を見て訴えかける。

「前も言ったけどただ不幸な偶然が重なっただけだろう?これからは俺が今回みたいに何だって、何度だって解決してやる。だから安心して」

優しく抱きしめられて背中をトントンとされる。

「それに――」

まだ話を勧めようとする千鶴の唇に宗治の人差し指があてられる。

「俺が聞きたいのはOKの返事だけだ」

そういうや否や、そっと熱い唇がかすめるように千鶴の唇にふれた。

千鶴の気持ちは、交わされるキスで十分に伝わっているはずだ。

でも、素直に“結婚”が受け入れられない。

何度もキスを繰り返しながら、ふたりソファになだれ込んだ。

千鶴の手は宗治の綺麗な髪の中に掻き入れられて、自らも口づけた。

宗治の唇が千鶴の首筋をはう。

薄手のセーターの裾から宗治の手が侵入してこようとしたとき―――
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