私と敵と好きな人と



『………………薫?』


低くて優しい声。オレだってこいつのこと柚帆には負けるけど好きだ。


「あたり、どーした優太」


『いや…それはこっちのセリフだろ?

 なにしてんの、薫』


クスッと笑った優太の手にはプリントが持たれていた。


きっと、この上の階の職員室にでも用があったのだろう。


「オレは……何もしてねぇよ」


『ふーん………そっか』


そう言うと、優太はオレの隣の席に座った。

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