最後の龍の華


「虎族の琥珀ーコハクーだ...」













低く紡がれた その名前は私の記憶の中にもある...










どこで...
聞いたっけ?












うーんと 唸っていると
周りの視線が私に突き刺さる...








『・・・。』




「...お前の名前は?...」








『...琉聖...』






「...どこの種族だ...」







・・・。




まさか...種族名を
聞かれるとは...






なんとか 誤魔化さないと...
私の目的が達成できなくなる...



これだけは 絶対避けたい












大丈夫....















私は...みんなのために
ここまで きたんだから...







大丈夫...







今まで 疑われてきたじゃない...

いつも通りにやれば できる...
たとえ...






自分が狙われて 疑われて不信な目で 言われたって...











大丈夫...













『...帰る...』



一言呟いて 立ち上がり
そのまま 出口へと向かう








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