Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
血の付いたタオルを持ったまま、肩を抱いてしまったので、みのりの白いポロシャツが血で汚れている――。
申し訳ない気はもちろんするが、それ以上にみのりに自分の〝印〟をつけられたようで、遼太郎は胸が高鳴った。
あの肩を掴んだり、腰に手を回したりした先ほどの出来事が、遼太郎の中に甦る。
みのりの肩や腰の細さ。片腕で持ち上げられるほどの軽さ。それでいて、ふんわりとしている柔らかさ。
普段自分がしがみつきぶつかり合う肉体とのあまりの違いに、愕然としたような感覚を覚えた。
それに、胸に残るみのりがぶつかってきた感触。
見下ろしてみると、ほんのり赤くなっている。親指で拭ってみると、自分の血ではない。
――先生の口紅だ…!
そう直感すると、体中の毛が逆立つような感覚が遼太郎を襲った。
カーッと胸の一部分が熱くなってくる。決して嫌ではないその感覚を、遼太郎は唇を噛んでしばらくの間味わっていた。
「あら、仲松先生は?」
養護教諭の先生が戻ってきた。遼太郎は我に返り、声のした方に振り返る。