Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「内閣の名前を答えるときなんですけど、2回以上組閣している総理大臣の場合は、必ず第1次とか第2次とかを入れて答えて下さいね。」
教壇の方へ歩いて行きながら、みのりは説明する。
何のことを言ってるのか解らない…と言う顔の生徒が数名いたので、みのりは少々不安になった。
でも、遼太郎に関しては、しっかり勉強しているからこそ出てくる質問だと思い、内心期待した。
確かに、みのりはそう解答しなければならない問題を出題していた。大正時代のシーメンス事件と虎の門事件。どちらも山本権兵衛内閣の時の事件だが、前者は第1次で後者は第2次の時に起こっている。
他には質問も出ないようなので、みのりは職員室に戻ることにした。
「じゃあ、お願いします。」
と、江口に会釈しながら教室を出ようとした時、地理の質問を受けに来た古庄が駆け込んで来て、戸口のところで、激しくぶつかった。
ぶつかった瞬間、みのりがよろけたので、とっさに古庄はみのりの細い両腕を掴んで、その体を支えた。
「わっ!すいません。大丈夫?」