Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「お、お気に入り!?……な、なんで狩野くんが?」
「だって、個別指導してるじゃん。」
「個別指導は、お気に入りだからしてるんじゃないのよ。狩野くんが鍛えれば伸びるって思ったからよ。」
真っ赤になってみのりが言い訳をするものだから、宇佐美はいっそう訝しそうな目で、みのりを見た。
「だったら、宇佐美さんもする?個別指導。あなたも、私のお気に入りよ。」
みのりは宇佐美にそう切り返し、にっこり笑いかけた。高校生相手に、やり込められるわけにはいかない。
「いやいや、それは遠慮しときます…。」
やぶへびとばかりに、宇佐美は首をすくめた。
「狩野くんと言えば……。2年生の子からコクられたって、なんか聞いたけど……?」
おもむろに、平野が口を開く。
「えっ!!?」
それを聞いたみのりと宇佐美が、同時に平野を見た。
「マジで!?今ごろコクるなんて、どうかしてる。今から入試が忙しくなるのに、迷惑なだけじゃん。」
宇佐美はこう辛辣な意見を言ったが、確かに遼太郎にとってこれからが一番の正念場だから、一理あるかもしれない。