Rhapsody in Love 〜約束の場所〜

11 絶世の美女!?




 後期が始まって、すぐに芳野高校の創立100
周年の記念式典は行われた。


 式典担当主任の井上先生は、今日は朝からピリピリしている。何といっても、この学校が輩出した衆議院議員で現役の大臣をなさっている先生をお招きして、講演をしてもらうことになっているからだ。

 地域の名門芳野高校には、戦前の内閣から閣僚を務めた大先輩が何人もいる。その高校が行う100周年の節目の記念式典だから、まさに地域を挙げての大イベント。式典には、学校関係者のお偉方や地域のお歴々が一堂に会した。


 いつも生徒たちが汗を流す空間である体育館は、会場となり、花々で飾られている。在校生と卒業生などの一般参列者、来賓などのパイプ椅子が所狭しと並べられ、厳粛な雰囲気に満ち満ちている。



 ざわめきが始まったので、みのりは生徒たちが会場に入ってきたことが分かった。
 ステージ脇の幕の合間から、会場を覗いてみると、1000人を超える生徒に加え、一般客も大勢来ていることが把握できる。


 この後、オープニングのレセプションで、筝曲部と合唱部の発表が行われる。
 みのりは自分が演奏するわけではないのに、いささか緊張してきた。みのりは自分の緊張を気取られまいと、筝曲部員たちに微笑みかけた。


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