Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「ラックの方がオフェンス側に圧倒的に有利で、早い展開ができるからなんです」
と、遼太郎が説明すると、みのりはさも感心したように瞳を輝かせた。
「そうだよね。あのラックの後、トライを決めたんだもんね。そういうことを、あの一瞬で判断できるんだから、狩野くんってすごいんだね。」
「……いや、先生…。」
称賛された遼太郎は恥ずかしそうに、首を振った。
「戦略には大体パターンがあるし、それにいつも上手くいくわけじゃありません。」
「そうかもしれないけど、臨機応変にそれを指示したり実行できる狩野くんはやっぱりすごいし、それに応えてくれる仲間もすごいね…。」
優しい微笑みを湛(たた)えて、みのりは遼太郎を見つめた。
みのりに目を逸らされてしまう不安は払拭され、遼太郎は大きな愛情でみのりが包んでくれているのを感じた。
とても居心地のいい愛情で、みのりへの想いを自覚するまでの遼太郎なら、それで心が満たされていただろう。
でも、今の遼太郎は、自分が求めているものとは違うと思った。