Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
「……スっ、スケベって、どういうことだよ?」
遼太郎は真っ赤な顔をして、ようやく二俣に反論した。
「何を言ってるの、二俣くん。君だって、スケベでしょ?」
みのりが遼太郎を加勢すると、二俣は不意打ちを食らって動揺する。
「…な!な、な、何で俺もスケベなんだよ!」
「だって、健康な18歳の男の子で、スケベじゃない子を探す方が難しいんじゃない?」
カラリと笑って語られる達観したみのりの意見に、〝健康な18歳の男の子〟二人は赤面して黙り込んだ。
「それはそうと、前の試合の時から訊きたかったんだけど……。」
二俣が口を開いて、話題を変える。
「みのりちゃん、この前の試合の後、元気なかっただろ?一昨日だって、見えないような所にいるし…。」
はっきりとした質問にはなってなかったが、二俣の訊きたいことは、遼太郎にもよく解った。遼太郎が気になったことを、二俣も気づいていたらしい。
みのりは二人の顔を見つめ、ため息を吐く。授業道具を教卓の上でトントンと揃え、教室のドアへと足を向けた。