Rhapsody in Love 〜約束の場所〜
グラウンドの反対側で、都留山高校が同じようにウォーミングアップをしている。みのりは脅威のその存在を、遠くから見遣った。
やっていることは、芳野の選手たちとそう変わらない。でも、圧勝の結果で勝ち進んできているチームだ。
これから始まる試合の内容を想像するだけで、みのりは手のひらにじっとりと汗をかいた。
開始時間が近づいてきて、選手たちは着替えをするため一旦姿を消した。そして、緑の芝生の上に、目の覚めるような真っ青なジャージを着た選手たちが飛び出してきた。
その光景を見ただけで、みのりの胸は詰まって苦しくなってくる。
遼太郎の姿を探して、その様子を確認する。いつもの競技場よりもグラウンドが遠いので、見えにくいのだが、リラックスしていて笑顔も見えた。
にも関わらず、遼太郎を見たみのりの鼓動は、なぜか速くなってくる。
――頑張って…、頑張ってね……!
みのりは両手を組んで、芳野の選手たちにそう思いを送った。
ハーフウェイラインを挟んで両チームが並んだ時、その選手たちの体格の差に、みのりは愕然とした。